行けなかった中学校とさよなら。ありがとう。【不登校中学生の親の記録⑧】

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かなりお久しぶりの更新になってしまいました。
いろいろあってPCに向き合えない日々が続いていましたが、元気に過ごしています。
あっという間に2年前の出来事になった長女の卒業式。
当時のことを振り返ります。

 

中2の5月から学校に行けなくなり、塞ぎ込んでしまった長女。

一緒に児童精神科に行き、ASD・ADHD・適応障害の診断を受けました。

それから時々外出できるようになったものの
学校にはまったく行けないまま3年生になりました。

でも「普通に学校に行けるようになりたい」と言い

修学旅行、リモートで級友と会話、三者面談、文化発表会…

本当に少しずつですが、頑張って少しずつ学校に足を運べるようになりました。

そして迎えた卒業式の日。

同級生と一緒に、参加することができました。

 

卒業式に参加できました

2年生で学校に行けなくなり、学年が変わってからも通常授業の日はまったく足を運ぶことはできませんでした。

でも、ずっと気にかけてくれていた友達や先生が「修学旅行に一緒に行きたい」と声をかけ続けてくれて

長女も

長女(こぎつね)
長女(こぎつね)

行く

と一歩踏み出すことができました。

 

当時のことをこちらの記事で綴っています。

年間出席日数0の不登校でも修学旅行に行った【不登校中学生の親の記録⑦-1】
修学旅行の参加、どうしようかな…と悩む不登校児、または不登校児の保護者さん、きっとたくさんいますよね。 うちの中3長女も不登校で、昨年の5月から出席日数0でした。でも、修学旅行には参加しました。 ネットで検索して...

 

修学旅行に参加してから
一度だけですがオンラインで級友と話をしたり、
オンライン授業に参加したり、行事に顔を出したり、三者面談に行けたり

…と、少しずつ学校へ足を向けられるようになりました。

 

あーさん
あーさん

昨年は学校に行くなんて考えられなかったけど
卒業式も、もしかしたら出られるかもしれない

 
という期待を私や担任が抱くのも
自然な流れだと思います。

 

もちろん、それが長女にとって簡単なことでないのに変わりはありません。

 

大変な勇気が要ることだったと思います。

 

でも、長女は卒業式でも堂々としていました。誇らしかったです。

 

 

あーさん
あーさん

長女まじすごい。
まじリスペクト

 

卒業式、参加する?しない?

二学期後半、体育祭・文化発表会と大きな行事が済み、3年生はいよいよ間近に迫る受験と卒業を意識する頃です。
まったく登校していない長女は、家で静かに過ごしていました。

 

ただ、文化発表会で展示するモザイクアートを自分の担当の分仕上げて返すことができ、その仕事も丁寧でした。
文化発表会当日も私と一緒に最後まで鑑賞して、喜んで声をかけてくれた級友に手を引かれHRに参加しました。

 

全く入れなかった中学校に、クラスメイトがいる教室に入っていった。しかも、クラスの集合写真も一緒に撮ってきて、すごいと思いました。

 

 

また、定時制高校や通信高の情報を集め、長女に合っていそうな学校を提案して「行く」と言ってくれた説明会や見学に一緒に行けたりもしました。

 

長女なりに、中学校との繋がりを保ったり卒業に向けての準備をしたりしてゆっくりと毎日が過ぎていきました。

 

「卒業式も、来てくれたら嬉しいな」

 

そんなアプローチを担任から度々聞くようになり、私も

あーさん
あーさん

もしかしたら、卒業式に参加できるかもしれない

という気持ちになっていきました。

 

もちろん、卒業式に出ることが長女にとって苦痛であり意味のないことであれば、すすめたくはありません。
だけど「普通に学校に行けるようになりたい」と言い、少しずつ中学校に足を向けようと頑張っている。修学旅行も文化発表会も行けた。
それなら、中学校生活最後の卒業式にも出られるよう、長女ができる形で参加する方向に向かおうと思いました。

 

不登校生の卒業式の形

卒業式に出る、と言ってもその方法はいくつかあります。

  • ほかの生徒と一緒に同じ場所で最初から最後まで参加する
  • 卒業証書授与式には参加せず、HRなどの時間に級友や先生たちと過ごす
  • 別室で個別に卒業証書を受け取る

…など。

 

級友だけでなく、全校生徒や先生・卒業生の保護者や来賓などが揃って体育館で行う卒業証書授与式は、かなりハードルが高くて参加できるかどうか不透明でした。

 

しかも、長女の場合

あーさん
あーさん
まず、制服を着ることができないよね

という懸念がありました。

 

長女が言った学校に行きたくない理由のひとつに「制服を着るのが苦痛」があったからです。

子どもが不登校になった原因を知りたい【不登校中学生の親の記録②】
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中学校の制服は学ランとセーラー服でしたが、長女が不登校になってから、当時の校長先生や生徒会が動いて意見を集め、長女たちが卒業した後の新年度には男女共通のブレザーに変わることが決まっていました。

 

あーさん
あーさん
できるなら長女にその新制服を着てほしい

 

まず、制服が着られないとなると正装じゃないから
卒業証書授与式にはふさわしくないだろう。
長女はセーラー服は着られない。
誰かに学ランを借りるか
スーツを用意するか
そもそも授与式には参加しないか
他にも選択肢はありました。

 

だけど、せっかくなら新制服を着てほしい。
下の子もいるし、サイズが合えばお下がりできるかもしれない。

 

長女に新制服着て卒業式出てみる?と聞いてみると、案外すぐに

長女(こぎつね)
長女(こぎつね)

いいね

という答えが返ってきました。

 

 

ひとりだけ違う格好で本人はきつくないのか、在校生の妹(次女)もそれを気にしないか、先生は心配していましたが次女に確認してみると

次女(こりす)
次女(こりす)

なんで?
服が違うだけじゃん。
何も気にならないよ。
そんなことで、とやかく言う子なんていないよ

あーさん
あーさん

だよね!!
ありがとう~

 

折り返し担任から「長女が参加できるなら」とOKの返事があり、業者さんも新入生の注文時期が過ぎて縫製に入っている中、長女の注文を快く受けてくれました。
「制服のお渡しは3月の初め頃。直前にはなりますが、式には間に合います」
長女ひとりのために、都合を合わせ中学校まで採寸に来ていただきました。

 

あーさん
あーさん

制服が変わったことも嬉しかったけど、
長女がこの制服を着られるなんて
思ってもなかった
嬉しい

 

長女と私の卒業式レポート

3月が近づいてくるにつれて
私は内心、ドキドキそわそわしていました。

 

とりあえず、公立の通信高校を受験することにした長女。
入試は卒業式の数日後です。

 

でも、相変わらず家でパソコンに向かい
ネット上の友達とゲームをしながら話したり
絵を描いたり
曲を作ったり
寝ていたりと
とにかく「籠る」生活をしていて

 

あーさん
あーさん

受験の準備をする気配もないし…
そもそも、受験会場に行くことができるのかな…
本当は受けたくないけど、私たちがすすめるから
うんって言っただけじゃないのかな。
まだ受験は早かったんじゃないのかな。
この上に卒業式の予定も入れてしまって、しんどくないかな。
いや、でもそれでも長女は現状を抜け出したくて頑張ろうとしているのかもしれない。
体も心もきつくてなかなか踏み出せないけど、それでも進みたいと思っているのかもしれない。
だったら、私は長女の心身の充電ができるように努めて、あまりプレッシャーをかけないように長女が動き出せるまで待っていよう。

 

長女は、自分が嫌なことや困ったことをうまく言葉で伝えられなくなっていたし、問いかけてもほとんど「うん」「いや」の二択なので長女がどう感じているのかはあくまで私の推測です。

きっと長女は前に進もうとしている。
動き出す様子が見えず、卒業式にも参加できるかどうかわからない毎日にそわそわしていましたが

 

私は信じて待ち、必要な時に背中を押そう。その結果、行けなくてもいい。
と自分に言い聞かせました。

 

 

願書提出期限1週間前、担任からの電話。
願書と合わせて提出する作文を一緒に考えて書こうと呼びかけてくれました。
授業や業務の合間を縫って、時間を作ってくれたことがとてもありがたかったです。おかげで2時間で仕上げることができました。
速達で、なんとか受験申込に間に合いました。

 

卒業式の2日前と前日の全体練習にも誘われました。

あーさん
あーさん

心の準備をするためにもリハーサルは必要。
だけど、行けるかな…

 

2日前のは行けませんでしたが、1日前の全体練習には参加できました。

 

 

そして、卒業式当日。
時間通り起きられるか、ベッドから出られるか
私もドキドキしていました。

 

あーさん
あーさん

長女、おはよー。

 

そんな私の心配をよそに

長女(こぎつね)
長女(こぎつね)

うん

 

と答え、数分ほど待っていただけで淡々と食卓に降りてきました。
朝食を食べた後は歯を磨き、顔を洗って髪をとかして
新しい制服に手を通し、いざ中学校へ。

 

あーさん
あーさん

かっこいい!
ブレザー似合ってるよ

 

次の記事に続きます。

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