子どもの学力を上げたい…多くの親が抱く願いですよね。
しかし、親がそう願っても子どもはなかなか勉強しないし、勉強したところで簡単に学力が上がるわけではありません。そんな簡単に学力が上がるなら、誰も苦労しませんよね。
では、どうすれば子どもの学力を上げられるのでしょうか。
私自身も、6人の子どもがいる親です。
家庭学習に関するブログを書いたり、PTA役員をする中でいろんな先生の話を聞いたり、講演会に参加する機会をいただいたりして学んだことをこの記事でお話しします。
子どもの学力を上げるカギ、それは「家庭学習」にある。
それが私の出した答えです。
これからの時代を生きる子どもに必要な学力とは
本題に入る前に、これからの時代を生きる子どもに必要な学力とは何か、考えてみましょう。
あなたは、子どもにどんな力を身につけてほしいですか?
目的がはっきりしていなければ、ただ勉強していても願いとずれていってしまいますよね。
ひとくちに「学力」と言っても、それは具体的にどんな力なのか考えてみてください。
- 知識をより多く記憶できる力?
- 計算を早く、正確にできる力?
- 有名進学校に入学できる力?
もし、子どもがすでに勉強好きであるとか、レベルの高い学校を目指しているのであれば、この記事は役に立たないかもしれません。
私が上げたいと考えている「学力」は具体的にはこのような力です。
- 自ら進んで学び、理解を深めようとする力
- 勉強を楽しむ力
- 情報を整理し、活かす力
- 自分で考え、試行錯誤する力
自分の求めている答えと違う、そう感じたらこの画面は即閉じしてください。
皆さんご存知の通り、子どもを取り巻く環境は10年前と比べて激変しています。
IT環境やIT機器の普及。
それによって生活環境が変わったり、
新しい職業が広く認知されたりましたね。
お店にもセルフレジがどんどん導入されているし、子どもの将来の夢ランキングにユーチューバーがランクインしています。
また、外国の文化に触れる機会も増え、多種多様な考え方や生き方を知ることも増えました。 例をあげると、LGBTQ(性の多様化)、ユニバーサルデザイン(障害がある人にもそうでない人にも使いやすいデザイン)などがありますよね。
これからも世の中はハイスピードで変化していくことでしょう。
新しい時代を生きていく子どもたちが幸せに過ごせるには、どんなことを学び、どんな力を身につけてほしいでしょうか。
世の中の変化に対応し、自分らしく生き、よりよい社会を作っていくには
先ほど述べた
- 自ら進んで学び、理解を深めようとする力
- 勉強を楽しむ力
- 情報を整理し、活かす力
- 自分で考え、試行錯誤する力
これらの力が役に立つでしょう。
世の中の変化を受けて、小学校は2020年度・中学校は2021年度から文部科学省による新しい学習指導要領がスタートしました。
学習指導要領というのは、学校の先生たちが子どもたちに勉強を教える際、どの学校で学んでも一定水準が保てるようにするため、そして大事なことがぶれないようにするために、すべての先生が基準にするものです。
- 自分で人生を切り拓いていける子ども
- 知識を活かす、思考力・判断力・表現力を持った子ども
- 多様化する世の中で、自分のよりよい生き方を見つけ、よりよい社会の担い手になれる子ども
参考:文部科学省
授業参観などで子どもたちが受けている授業を見ていると、やっぱり私の子どもの時とはずいぶん違うなと思います。
学校の授業というと、先生が子どもたちに黒板や教科書を用いて教えるだけというイメージでしたが、ただ先生の話を聞きドリルを解くだけではありません。
電子黒板やタブレットPCなどの新しい道具を取り入れているのはもちろん、答えを出すために先生が教えるのではなく、子どもたちから色んな方法や意見を引き出したり、子どもたち同士で話し合ったりする場面を積極的に引き出していました。
テストの内容を見ても、単純な計算問題や答えがひとつである問題が減り、自分の言葉でまとめる問題や、知識を実際の生活に生かすような発展問題が増えていますよね。
例えば「おつかいに行きます。◯◯と◯◯と◯◯を買うよう頼まれました。財布の中身はこうです。支払いの際にどのお金を出せば小銭が少なくなりますか?」という算数の文章題が小4の長男の宿題に出ていました。
こんな文章題…私が小学生の時はなかった気がするなぁ…
子どもの学力を上げるには「家庭学習」がカギ!
では、これからの時代を生きる子どもに必要な学力を育むためには何をしたら良いでしょうか。
優秀な参考書やドリルなどの教材を買う?
頼れる家庭教師にお願いする?
学習塾に通わせる?
それもひとつの方法かもしれません。
しかし、何より重要なのは「家庭学習」。つまり、親の力が必要不可欠なのです。
小中学生の全国学力テストで、正答率が常に都道府県トップの座にいる秋田県の子どもたちは、通塾率が都道府県ワーストワンというデータがあります。
参考:全国学力・学習状況調査/教育課程研究センター
放課後通塾率データ/ジュクサガス
秋田県は、学校と保護者が連携を図り、県を挙げて家庭学習に力を入れています。
塾に通わなくても、家庭でのサポートで充分学力は上げられることが分かりますね。
具体的に、学力を上げる家庭学習のポイントについて説明していきます。
ちなみにこの記事では、宿題を含めて家でする勉強を家庭学習と呼びます。
秋田県では、自分で学習内容を決める「自学ノート」をほとんどの学校で宿題として取り入れています。私は秋田県民ではありませんが、うちの子たちが通う学校でも自学ノートが宿題に組み込まれています。
だいたい、小学4年生くらいから自学ノートやってる。
いとこたちの学校では1年生から始めてるみたい。
特に小学1年生は、それほど学習内容も難しくありませんし、学校から出される宿題だけで充分と考える人も多いでしょう。それよりも、毎日少しずつでも学習を続けられる習慣づけが重要とされます。
よかったら、こちらの記事も参考に見てみてくださいね。
子どもの学力を上げる家庭学習のポイント
- 自ら進んで学び、理解を深めようとする力
- 勉強を楽しむ力
- 情報を整理し、活かす力
- 自分で考え、試行錯誤する力
このような力を育てるための家庭学習のポイントは5つです。
- 勉強に集中できる環境をつくる!
- 子どもが自分でプロデュース!
- 音読で頭の準備運動!
- 勉強時間はどのくらい?
- 親の励ましは必須!
勉強に集中できる環境をつくる!
TVが付いていたり、側におもちゃやスマホが置いてあったりしたら、気になって勉強も進みませんよね。
子どもが勉強をする時には、TVのスイッチはオフにしたり散らかっていたら片付けたり配慮してあげましょう。
机には勉強に使う物以外は置かず、広く使えるようにしてあげるといいですよ。
うちの子たちには、学校全体の決まり事として
ながら勉強はしない(食べながら・TVを見ながら)
というルールがあります。
ただし、BGMとして音楽を流すのはアリだと思います。子どもに合わせて試してみてくださいね。
可能であれば、集中力アップに役立つアロマを利用したり、心が落ち着き集中力が増すと言われている青色を勉強部屋に取り入れたりしてみてもいいですね。壁紙やラグを青い色にするだけでも、すっきりした気分になれそうです。
まず親が環境を整えるという気持ちが大切です。
また、子どもが勉強をしているそばで親がスマホをいじるなどして遊んでいたら、子どもも勉強をする気にはなれませんよね。
家事をしながらでも「見守っているよ」という姿勢を見せましょう。
子どもが自分でプロデュース!
親が熱心になるあまり、あれこれ口出しをしていたら、子どもは「親に勉強をさせられている」と感じてしまいますよね。
自ら進んで学ぶ気持ちを育てるために、家庭学習は子どもが主体であることを頭に置いておきましょう。
自学ノートをするのであれば、子どもにテーマを決めさせます。
親は、子どもが困ったときにアドバイスをしたり、手を差し伸べたりするだけにしましょう。
- 自分が勉強したいこと…(好きでもっと理解を深めたい教科や単元・苦手で克服したい教科や単元)
- お手伝いの記録
- 今日の出来事で心に残ったことを深く調べる
まだ子どもが自学をしていないのであれば、家庭学習のルールやスケジュールを子どもに決めてもらいます。
とは言え、
学校で疲れた時は宿題をしなくてもOK!
などと何でも好き勝手に決められたら困るので、親と話し合って決めましょう。
そして、最終判断を子どもに委ねます。
ルールと言っても、勉強をする時間など簡単な取り決めだけでOKです。
親に「学校から帰ったらすぐ勉強しなさい」と言われるのでは、勉強は親にさせられるものになってしまいます。
これでは
勉強したくなくなるのは親のせい
になってしまいますよね。
勉強は子どもがするものです。
話し合って自分でルールを決め、うまくいかないときは自分で考える。そんな子どもになってほしいですよね。
1日の予定を書き出していき、空いた時間を見つけて学習時間を埋めていくといいですよ。
スケジュール表を子どもと一緒に作るのもおすすめです。
時間を有効に使う技も身に付きますね。
音読で頭の準備運動!
うちの子たちが通う小学校では、毎日必ず音読が宿題に出されます。
音読はかなりおすすめです。
もし学校の宿題になくても、自主勉強としてやってほしいくらいです。教科書や本から好きなところを1ページ読むだけでもOK。中学生や大人にもすすめたいです。
秋田県の家庭学習アドバイザーの話を聞いたところ、毎日「音読→ノート学習」の流れで家庭学習のスケジュールを組んでいるそうです。
これも、秋田県の子どもの学力が高い秘訣だと感じました。
なぜなら、音読をすると脳が活性化するからです。
やってみたら、きっと実感することでしょう。
ただ文字を目で追って読むだけより、声を出して読む方が記憶に残りますよね。
また、子どもの音読を聞くことでコミュニケーションも取れます。私は夕ご飯の支度をしながらとか、洗濯物を畳みながら聞いているので
ちゃんと聞いているよ!
アピールをしたり
聞き取りやすいようお願いね!
もっと言葉をはっきり!
もうちょっとゆっくり!
いいね!
滑らかに読めてるね!
と声かけたりしています。
相手に伝わりやすいよう考えて読むと、句読点・言葉の意味・声の調子・読むスピードなどを意識するようになりますね。
「アナウンサー風読み」「早読み」「感情移入読み」などバリエーションを増やしてみても面白いですよ。
私が仕事で遅くなるときは音読は後回しになってしまいますが、やっぱり、音読をしてからの宿題の方が子どもの集中力がいいです。
勉強時間はどのくらい?
勉強時間は、長ければよいわけではありません。中身が大事ですよね。
集中できる時間が限られているなら、休憩を挟んでこま切れにする手もよいでしょう。
あくまで目安ですが、
秋田県では学年×10分を家庭学習の時間の目安としています。
小学1年生なら10分、6年生なら60分という具合ですね。中学生は70~90分ということになります。
ちなみに、私の住む地域では
学年×15分とか、学年×10+10分とか言われています。
しかし、繰り返しになりますが大事なのは時間ではありません。だらだらと1時間勉強するより、集中して15分勉強した方がいいのは言うまでもないですよね。
そこで、タイマーを使うのもひとつの手です。
このプリント、何分でできそう?
うーん…10分かな!
10分ね!
よーい…スタート!
という感じで子どもに時間を決めてもらいます。
限られた時間の中でいかに作業をするか、大人も時間を決めた方が集中できますよね。
お迎えの時間までに、夕飯の下ごしらえすませなくっちゃ!
親の励ましは必須!
子どもの学力を上げるには、親のサポートや励ましが必要不可欠です。学校の先生たちも、口を揃えて言います。
小学校では、先生から親に宿題のサインや丸付けをお願いされることも多いですよね。
これは、先生の仕事を減らすためではありません。
もちろん、学校の先生が多忙なのはよく知られている事実ですが、親が子どもの宿題に目を通して励ますことが、子どもの学習意欲を伸ばすことに繋がるからです。
音読のサインやコメントだけでも、低学年の子は分かりやすく目を輝かせるし、高学年の子も安心感を持ち、落ち着くようです。中学生なら「勉強難しい?」など時々気にかけて声かけをしたり「頑張ってるね」と励ましたりするだけでもいいでしょう。見守ることを忘れてはいけません。
ある先生は、毎日の宿題である自学ノートに「日付・おうちの人のコメント・担任の先生のコメント」を必ず書くようにと、保護者にも協力をお願いしてルールを決めました。
すると、そのクラスは自学ノートの提出率が100%だったそうです。
おうちの人のコメントは、お母さんやお父さんでなくても、おじいちゃんおばあちゃん、お兄ちゃんお姉ちゃんでもOKです。たった1文でも構いません。子どもが寝た後でも2、3分あれば目を通して書けますよね。
親がいつも見守ってサポートしてくれる、すると子どもは情緒が安定します。もちろん、規則正しい生活をさせてしっかり食事と休養を取らせることも基本です。
情緒不安定だったり、不健康な生活をしたりしていたら勉強どころではありませんよね。
どういう風に励ましたらいいのか悩む時は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
自分も勉強が苦手、そんな親は?
親が子どもの勉強を見守ると言っても、自分も勉強が苦手だし、わからないところを質問されたらどうしよう…答えられないしなぁ
という人もいるでしょう。
私も、小学1.2年生くらいまでなら何とか教えられますが、それ以上になると
…えーっと?
と、子どもと一緒になって首をかしげてしまいます。
しかし、私も勉強できないから、子どもの学力を上げるなんて無理無理と諦めるのはまだ早いです。
そんな人は、本を読むことから始めてみましょう。
本のジャンルは何でも構いません。
物語・小説・実用書・エッセイ・ライトノベル…
人気のある本から選ぶのもいいし、芸能や料理や旅行や育児本…自分の興味のある分野から選んでもいいですね。
このシリーズも人気ですよね。生物の進化や生態の面白さが詰まっています。
うちの長男も好き。
こちらは女の子向けですが、マンガで多種多様な仕事を紹介してあるので将来の夢を思い描くのにいいと思います。
うちの次女が読み込んでいます。
活字を読んでその情景を想像したり、情報を得て自分の生活にどのように活かすか思い描いたりすることは、読解力や思考力を育てます。新しい言葉や表現に出会い、語彙力を高めることもできますね。
親が読書を楽しんでいれば、子どもも自然と本を手にしますよ。
家庭生活の中でさりげなく勉強を取り入れることもできます。
無料で学習プリントがダウンロードできるサービスもたくさんあるので、こういうのを利用してもいいですね。。
また、家にいながらにして専属のコーチが勉強のアドバイスをしてくれる通信教育もあります。
うちでは、次女の苦手な算数をどう教えていいのか悩んでいた時にすららを始めました。
苦手意識がなくなり、1度つまずいてもすぐ理解できるようになりましたよ。
親が丸つけをする必要がないので、共働き世帯など忙しい家庭にぴったりです。
1日15分&300円程度から始める学習自立応援プログラム「すらら」
※300円は、ひと月の学費を30日で割った金額です。
家でできるし、ネットからでも学習状況をチェックできるので、子どもの頑張りが目で見られるのもありがたいです。
まとめ
子どもの学力を上げるためには、
優秀な家庭教師にお願いしたり
たくさん塾通いさせたり
学校の先生にお願いしたり
学習指導のプロに力を借りることもあるでしょう。
しかし、何よりも必要なのは親の力であり家庭学習が肝だと感じています。
この記事では、子どもの学力を上げる家庭学習の5つのポイントを紹介しました。
- 勉強に集中できる環境をつくる!
- 子どもが自分でプロデュース!
- 音読で頭の準備運動!
- 勉強時間はどのくらい?
- 親の励ましは必須!
親が子どもの勉強を、温かく見守り励まし、一緒に楽しめると素敵ですね。
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