子どもをしかるのって難しいですよね。
何度同じことを言っても聞いてくれなかったり、ついイライラしては大きな声で怒鳴ってしまって自己嫌悪になったり…自分の叱り方が間違っているのではと悩む親は多いでしょう。
私もそのひとりです。
この記事では、私が仕事で我が子以外の子どもと関わったり、保育士や小児科などの先生からお話を聞いたりして、学んだ上手な子どものしかり方を紹介します。
私が実践したこともお話するので、参考にしてみてくださいね。
上手に叱れば子どもは伸びる
子どもを褒めて伸ばす、とはよく聞きますよね。
確かに、能力ややる気・自己肯定感を伸ばすには褒める・認めることは必要不可欠です。
しかし、褒め方次第で子どもをダメにしてしまう恐れがあるのはあまり知られていないのではないでしょうか。
上手に褒めるのはもちろん、上手にしかることも、子どもの心を健やかに成長させるには必要ですよね。
- 自分や他者を傷つける行為をしたとき
- ルールやマナーを破ったとき
子どもが社会生活で自立できるためにも、このような行動をした時は親が教えて正しい行動へ導いてあげなければいけません。
だから、褒めるのと同じくらい、上手にしかることも必要不可欠です。
- 親がいくら注意しても聞く耳を持たない
- イライラするあまり、感情に任せて子どもに怒りをぶつけてしまう
これでは、せっかくしかっても子どものためにはならないでしょう。
- 子どもは親からしかられるのを恐れるようになる
- 子どもはしかられないよう、ごまかしたり逃げたりする方法を覚える
- 子どもは親に不信感を抱く
こうなることが想像されます。
じぃじとばぁばのおやつ、こっそり食べちゃおう…。
今なら見つからないよね。1歳の弟が食べたって言ったら怒られないし!
この程度なら可愛げもあるかもしれません。でも「ばれなければ悪さをしても大丈夫」「ごまかせば大丈夫」ことを覚えたまま大人になってほしくはないですよね。
しかり方のコツを知らなかった頃の私は、よくガミガミ・クドクドしかっていました。特に叱られることの多かった1番目長女は今
お母さんは私がどうなっても別にいいんでしょ
ということを口にします。
もちろん、そんなことはありません。長女が大人になった時困らないように、そう思ってしかっていたつもりでしたが、伝え方が悪かったのです。
長女が保育園児だった時「ママはいつもおこりがお」という絵を描いたこともありました。
ショックでした。反省しかありません。
しかり方のコツを意識しだしてからは、4番目三女に
ママにしかられるとうれしい。
ママに褒められるとうれしいからがんばれる。
と言われるようになりました。
伝え方が違うだけで、こんなに子どもの心が変わるんだ。と痛感しています。
長女にはたくさん怒ってきてごめんね、と謝りました。悪いことをしたなと思います。
上手なしかり方を知って、子どもの心が健やかに育ち自立できるようサポートしていきましょう。
この本がわかりやすいです。
この記事でお話しすることも、8~9割くらいはこの本の内容と同じです。
残りの1~2割は、私の経験やそこから考えたことを混ぜています。子育て真っ最中の人には「あるある!」と共感してもらえる点も多いのではないでしょうか。
著者の専門であるモンテッソーリ教育とレッジョ・レミリア教育は、子どもと指導者が対等な関係にあり、子どもを尊重することがベースになっています。教育と聞くと、親や先生は子どもの上の立場だというイメージがありますが、そうではありません。
教育者は、子どもを上から指導するのではなく、見本を見せたり共に考えたりして導くというイメージです。
そんなところにすごく共感しました。
子どものほめ方しかり方で悩んでいる人には、発見の多い本だと思います。
子どもに伝わる叱り方のコツを実践する前に
叱り方のコツを早く知りたい!と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
先に、頭に置いてほしいことがあります。それは心得みたいなものです。
この心得があると、言うことを聞かない子どもにイライラすることが、きっと激減しますよ。
そして、心得があるのとないのとでは子どもへの伝わり方も違います。
子どもをしかる意味を分かっていないのにしかっても、役者が棒読みで台詞を読んでいるようなものです。これでは、伝わるはずがありませんよね。
- 「叱る」ことは「怒る」ではなく「教える」こと
- 子どもは親の真似をして育つ
- いつでも「初めて」叱る気持ちで
子どもを叱るのは、悪いことをした時でしょう。悪い行動を正すよう教えるために叱るのであって、親の怒りをぶつけるためではありません。
教えたいことをきちんと伝えるために、怒る必要もありませんよね。親が冷静になって話した方が、子どもは聞いてくれます。
また、親がイライラにまかせてしかっていると、それは子どもにも伝染します。
イライラして物や下の子に当たったり、同じように怒鳴ったりします。うちの子たちがそうでした。子どもは親の鏡とはよく言ったものです。
そして、子どもは1度注意されても、同じことを繰り返します。小さい子ほどそうですよね。過去を振り返ったり、未来を想像したりする力がまだ育っていないからです。子どもは今を生きている、今やりたいことをやる、同じことを繰り返して覚える、これは仕方のないことです。
親が「何度言ったらわかるの!」とイライラしても意味がありません。
だから「また同じことの繰り返し…」と思っても、それは忘れて「初めて叱るつもり」で気持ちを落ち着かせましょう。
それでもやっぱりイライラする!
そんな時は、心の中でゆっくり6数えてみましょう。
うちの子たちが学んだ、アンガーマネジメントが役に立つかもしれません。
子どもに伝わる叱り方8つのコツと具体例
- 否定言葉を肯定言葉に変換
- すぐにやめて欲しい行為は手を取って止める
- 目線を合わせる
- 落ち着いて、静かな口調で
- 子どもの気持ちを汲み取る
- 叱る理由を説明する
- 短い言葉で簡潔に
- わたしメッセージで伝える
話し口調やかける言葉を変えれば、小さい子から大きな子まで通用します。
私は1歳の末っ子から、中学生の長女にまでこの8つのコツを使っています。
このコツを掘り下げて説明し、声掛けの例を挙げてお話しします。
いくら言っても子どもが勉強しない、子どもに学習の習慣をつけたいと考える人はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
否定言葉を肯定言葉に変換
親が子どもを注意する時によく言われる「~したらダメ」「~しないで」という否定言葉、これを「~してね」「~しようね」肯定言葉に変えてみましょう。して欲しい行動を言葉にします。
例えば、
お店の中で「走らんで!」→「歩こうね。」
大騒ぎしている時に「うるさい!大きな声出さないで!」→「静かにお話ししてね。」
という具合です。
「~したらダメ」「~しないで」という言葉は、子どもには伝わりにくいです。
その行動が楽しくて夢中になっていればなおさらですよね。開けたらダメと言われたら余計に開けたくなる、パンドラの箱のようなものです。
その行動をやめて、どうしたらいいのかわからないという理由もあります。
しかる時に否定言葉が絶対にNGというわけではありません。
子どもが小さい子に手をあげていたら「叩かないで!」と言ってしまうし、道路に飛び出そうとしたら「ダメ!危ない!」ととっさに言葉が出てしまいますよね。
でも、そんな緊急事態でない限りは「優しく触れてね」と言ったり「手をつないで歩こうね」と頭の中で肯定言葉に置き換える癖をつけておくといいですよ。
子どもに伝わりやすい言葉かけができるようになっていきます。
すぐにやめて欲しい行為は手を取って止める
先ほども話題に出しましたが、小さい子に手をあげたり、道路に飛び出そうとしたりする目に余る行為や危ない行為はすぐに止めないといけませんよね。
ギャーギャー怒っても子どもは聞きません。
言葉で何度も注意するより、先に手を取って止めましょう。
うちの6番目三男は、よく居間の座卓にのぼり、まるでお立ち台のように踊ったり飛んだりしていました。
その度に
降りなさい!
とガミガミ注意するよりも、
降ろして厳しい顔で
ここはご飯を食べるところだよ
と静かに注意したほうがよほど聞いてくれました。
目線を合わせる
目を見て話した方が伝わる、当たり前とも思えることですが、私はこれが意外とできていませんでした。
遊んだあと散らかったままの部屋で、片付けながら「これじゃ危ないでしょ!」などとぶつぶつ言いながら注意する、別の部屋にいる子どもたちに、遠くから「片付けてないよ!」というように。
また、子どもとの距離があると、声も大きく口調も強くなりがちですが、しっかり目を見て話すと私も落ち着いて話せる気がしますよ。
落ち着いて、静かな口調で
感情的になってると、子どもも聞いてくれないし、言わなくていい余計なことまで口にしてしまったり手をあげてしまったりして後悔することが多くなります。
大人だって、上司から感情的にガミガミ言われたら聞きたくなくなりますよね。落ち着いて静かな口調で話してくれたほうが、頭に入るでしょう。
子どもの気持ちを汲み取る
子どもが何かよくないことをしていたら、しかる前に子どもの気持ちを汲み取り、共感の言葉を伝えましょう。
共感するといっても、よくない行為に同意して許すことではありません。
私たちも、何か失敗をした時に責められるばかりでは
「こんなにがんばったのに…」
「そんなつもりじゃなかった…」
と思うことがありませんか?
子どもがまだ幼ければ、そういった気持ちを言葉に表すのも難しいでしょう。
気持ちを汲み取ってもらえたら、その後の注意もすんなり聞けますし、素直に反省もできます。
例えば、こんな感じです。
うちの5番目次男は、こども園にお迎えに行くと、必ず園庭で遊びたがります。
とはいえ私も仕事帰りなので、そんなに長くは遊べません。私としてはできれば早く帰り、夕飯の支度をしたいところです。
ですから「時計の長い針が4のところにきたら帰ろうね」と決まって言います。
しかし、その時間になっても遊ぶのをやめることはほぼありません。
「あと1回すべり台すべったら帰ろうね!」とか「もう待てません!捕まえに行くよー!」とかを何回かやって車に乗せています。
そして帰り道、通り過ぎる児童館を指さして、あそこに寄りたいと駄々をこねました。
こんな時
もうダメ!
と言うと、さらに駄々っ子はエスカレートして泣き叫ぶでしょう。
そう、まだ遊びたかったんだね。
児童館も楽しいもんね。
と次男の気持ちを代弁すると、静かにうなずきました。
そして
でも今日は帰ろうね。
早く帰った日に児童館行こうね
と言うと、
うん
と答えてくれました。
次男は年齢の割に言葉が少ないせいか、自分の希望通りにならないとよく癇癪を起こします。
でも、こうして気持ちを代弁すると、その後の注意もすんなり聞いてくれることが多いです。
これは、小さな子どもでなくても同じことが言えるでしょう。
自分の気持ちを受け入れてくれると安心しますよね。
叱る理由を説明する
しかるのには理由がありますよね。
何がよくないのかを伝えるために、また、よくなるよう導くためにもしかる理由を言葉にしましょう。
帰る時間になってもまだ遊びたいと駄々をこねる、先ほどの次男の例で言うと
もうご飯を作らなくちゃ。
お姉ちゃんもお兄ちゃんも待っているよ
という感じです。
そうして帰らないといけない理由を伝えると、納得してくれることが多いです。
短い言葉で簡潔に
共感する…しかる(肯定言葉で教える)…理由を説明する…
何だか考えることがたくさんあって、あれもこれもと思っていたらクドクド言ってしまいそうですよね。
でもこれはよくありません。
大人だって、上司のクドクドと長いお説教には聞く耳持ちませんよね。疲れてしまいます。
しかる時は短い言葉で簡潔に、を心がけましょう。
わたしメッセージで伝える
「わたしメッセージ」とは、自分の気持ちを相手に伝える言葉のことです。
しかる時に「わたしメッセージ」で伝えるとはどういうことでしょうか。
そして、なぜ「わたしメッセージ」で伝えるとよいのでしょうか。
またまたうちの次男を例に出します。
次男はYouTubeが大好きです。
私のスマホを見ると、すぐ「たすけて(貸して)」と手を伸ばしてきて、1度貸すと自分の気が済むまで、ずーっと食いつくように見ています。途中で取り上げるものなら、これまたひどく駄々っ子になります。
なので、なるべく次男の目の前でスマホを出さないようにしているのですが、ある朝、子どもたちを送り届ける前に車の中で中学校に電話をしました。
それを見た次男がすかさず
たすけて(貸して)
と手を伸ばしてきました。
あちゃー…と思いましたが、静かにしてくれるなら、と手渡してしまいました。
でも
しまった
こども園に着いて「スマホ返して」と言ったとたん泣き叫ぶ、そんなことが予想されます。
家からこども園までの道のりの中「着いたらママに渡してね」「もうすぐだよ」「こども園見えてきたよ」と声をかけていました。次男の顔はスマホに釘付け。ドキドキの10分間でした。
さぁ、着いたよ
…いやー!!
(やっぱり)
こんな時、どう伝えるでしょうか。
私は「わたしメッセージ」でこう伝えました。
ママ困っちゃうな。
お仕事行けないよ
このひとことで、次男はすっとスマホを渡してくれました。
アンダーラインを引いた部分が「わたしメッセージ」にあたります。
「わたしメッセージ」でこちらの気持ちを正直に伝えることで、子どもは相手の気持ちに気づき、相手の気持ちを思いやることができます。
よくない叱り方とその解決策
しかり方のコツについて、わかってもらえたでしょうか。
私を含め、多くの親がやってしまうよくない叱り方についても注意しましょう。
よくないしかり方
- 感情的になる
- 罰(叩く・脅す)を与える
- 他人と比較する
- レッテルを貼る
- あなたメッセージ
これらのよくない叱り方を、どう変えていけばいいのかお話しします。
心当たりのある人は、ぜひ続けてご覧くださいね。
感情的になる
感情的になってしまうと、怒りの感情を子どもにぶつけるだけになってしまいます。
「もう、いいかげんにしなさい!」
「なんでこんなことするの!」
「何度言ったらわかるの!」
すると、つい手が出てしまったり、言わなくていいことまで言ったりする恐れがありますね。親から感情的にられてばかりの子どもはどうなるでしょうか。
ここでもお話ししましたが、大事なことなのでまたお伝えします。
- 子どもは親からられるのを恐れるようになる
- 子どもは叱られないようごまかしたり、逃げたりする方法を覚える
- 子どもは親に不信感を抱く
こうなってしまっては、親も子どもも悲しいですよね。
とはいえ、親も人間ですから、子どもが言うことを聞いてくれなかったらイライラしますよね。感情的にならないようには、どうしたらよいでしょうか。
私は、これらの心得でイライラすることが激減しました。
また、しかり方のコツを知っていると、子どもに伝わることも多くなりました。きつい口調で怒らなくてもいいんだということを実感しています。
罰(叩く・脅す)を与える
言うことを聞かないと、押し入れに閉じ込めるよ
宿題しなかったら、おやつ抜きだよ
私も子供時代に言われた記憶がありますが、叱る際に罰を与えるのは多くの親が使う手段ですよね。
うちは家の周りが海と山なので
海に放り投げるよ
…こんなパターンもあります。
しかし、子どもにとって罰を与えるしかり方は望ましくありません。
なぜなら
- なぜ叱られているのか、本質的なことが伝わらない
- 力による制圧が正当化されてしまう
からです。
罰を与える叱り方を続けていると、子どもはその罰を逃れるために言うことを聞くようになります。
おやつ抜きはやだ!
悪いことをしなくなるので表面的にはよいかもしれませんが、なぜしかられているのか・何が悪いことなのか考える機会を奪ってしまいますよね。
また、子どもが大きくなってくると、小さな罰では通用しなくなってきます。
おやつ抜かれるくらい、どうってことないもんね~。遊びに行こっと!
こうして言うことを聞かない子どもに、さらに大きな罰を与えるのではイタチごっこですよね。ますます本質的なることからずれていきます。
そして、親が罰を与えるしかり方をしていると、子どもは力による制圧を正当化するようになります。
ドラえもんのアニメに登場する、ジャイアンを思い出してみてください。
ジャイアンは、自分より強くて怖い母ちゃんを恐れていますよね。悪いことをした時に、きつくお灸をすえられているシーンを見たことがあるのではないでしょうか。
ジャイアンは友達を力によって制圧しています。
おそらく、それがよくないと分かってはいるでしょう。見つかると母ちゃんにられるからです。でも、力による制圧が効果的だと、心が無意識に覚えてしまっているのでしょう。そうすれば友達は自分の言うことを聞いてくれる、だって自分が、親からそうされているからです。
叱る時は子どもに伝わるしかり方7つのコツと具体例を使ってみてください。全部使わなくても、状況に応じていくつか実践するだけでもかなり違うと思いますよ。
他人と比較する
お兄ちゃんは足し算がすぐにわかったのに、どうしてできないの
◯◯ちゃんはもう自転車に乗れるんだって
このように、人と比較してしまうことは誰でもあるでしょう。
大人の社会でも、仕事の成果や能力を数値化して公開されることがありますね。分かりやすいのは、営業マンの売上成績です。
◯◯さんは成約何件・事業所内で◯位
といったように事務所に掲示されるところもあるでしょう。
このように、人と比べたり一定の基準と比べることは
◯◯さんのように、成約◯件を目指さなくては、ノルマまであと◯件足りないから頑張らなくては、と気持ちを奮い立たせるきっかけになるかもしれません。
しかし、
「自分はダメなんだ」
「どうせ頑張ってもあの人のようにはなれない」
と、自己肯定感を下げる一因にもなってしまいます。
人それぞれ性格や能力が違うのはもちろん、特性や適性も違います。子どもの発達の仕方がそれぞれ違うのも、皆が知っている当たり前のことですね。
営業マンが仕事で1件の成約を取るために、もともとお客様の気持ちをうまく掴める人とそうでない人では、頑張りの量も違うでしょう。
人と比べたところで自分の能力が上がるわけではありませんね。
子どもを叱る時には人と比べるのではなく、子どもの姿勢・やり方・頑張りに注目することが必要です。すると、人と比べて叱ることもなくなりますね。
算数むずかしいけど、投げ出さないで頑張ってるね
自転車に乗るとき、体がグラグラしているね。ペダルから足を離して、バランスを取る練習をしてみよう!
と褒めたり、励ましに変えたりすることもできるでしょう。
レッテルを貼る
る時にレッテルを貼るとは、どういうことでしょうか。
親が子どものことを「〇〇な子」「悪い子」と決めつけてしまうことをいいます。
親なんだから、我が子がどんな子なのかよくわかっている、それを言うのがなぜいけないのだろうと思うかもしれませんね。
例えば、何度言っても言うことを聞かなかったり、よくないことを繰り返す子に
ほんとに悪い子なんだから!
とか、うちの言葉で言うと
ほんなごてのぼせもんが!(本当にお調子者なんだから!)
などときつく叱ったところで、子どもに伝わるでしょうか?
怒られて怖い
と思い、その場はおとなしく言うことを聞くかもしれませんが、何がよくないのか・どうすれば良いのかが伝わりませんよね。
また、レッテルを貼ることは子どもの人格を決めつけてしまい、否定する言葉になってしまいます。
宿題の書き取りを雑に書いている子どもに
ほんと、字下手くそなんだから。
と叱ったら、どうでしょう。
子どもは悲しくなりますよね。自分は「字が下手」と思い込んでしまう恐れもあります。
そんな風に言われたところで、字はきれいになりません。
子どもの姿勢・やり方・頑張りに注目して伝える
鉛筆をこんな風に持ってごらん。
そして、この字はここを丸を書くようにくるっと、それがポイントだよ
と言った方が、子どもに伝わりますよね。
あなたメッセージ
相手を批判する言葉を「あなたメッセージ」と言います。
「あなたメッセージ」で叱るとどうなるでしょうか。
先ほどお話しした次男を例に挙げます。
スマホを離したくないと駄々をこねる次男に対して
そんなわがまま言ってると、ママ仕事行けなくなるよ!
という言葉になります。ラインを引いたところが「あなたメッセージ」ですね。
批判されると、子どもに限らず大人だっていい気はしないし、反論したくなることもありますよね。夫婦間でもこのようなことはありませんか?
旦那は自分のことばっかりで、育児家事に協力してくれない。
私ばっかり大変な思いしてる
奥さんは何をしたらいいのか言ってくれないからわからないし、子どものことばかりで俺のことは後回し。
それで不満ばかり言われてもね
これを「わたしメッセージ」に変えるとどうでしょう。
朝の支度の時、末っ子がぐずって手間取る時はお皿を洗ってくれると嬉しいな
忙しいのはわかるけど、仕事から帰った時は奥さんや子どもから「おかえり」って笑顔で出迎えてほしい
「わたしメッセージ」は相手の批判をせず、自分の正直な思いを伝えます。
こうすることで、初めて相手の気持ちに気づき、思いやることができますよね。
「わたしメッセージ」で伝える
まとめ
子どもをしつけるためには「叱る」ことも必要な場面が度々あります。
私は「叱る」ことが苦手でした。
きつい口調で怒らないといけないと思っていたからです。
子どもが言うことを聞かないので、よく「ちゃんと言い聞かせなきゃ」とか「あんたは甘やかしすぎ」とか義両親から言われ、無理して怒ったり罰を与えたりしていました。
でもそれは私の勘違いだったのです。
子どもを叱るのに、きつく怒ったり罰を与えたりすることはしなくていいのです。
- 否定言葉を肯定言葉に変換
- すぐにやめて欲しい行為は手を取って止める
- 目線を合わせる
- 落ち着いて、静かな口調で
- 子どもの気持ちを汲み取る
- 叱る理由を説明する
- 短い言葉で簡潔に
- わたしメッセージで伝える
今、うちの三女は
ママに叱られると嬉しい。
でも、それはママに叱られた時だけ
と言います。
だからと言って、私の気を引くために何度も叱られるようなことをするわけではありません。
叱られるのは嫌なことですが、三女がこんな風に言うのは「伝わる」叱り方をしているからだと思います。きっと叱る意図だけでなく愛も伝わっているのでしょう。
子どもの心を健やかに育てて、社会生活で自立できるためにも、伝わる叱り方をしたいですね。
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