多くの教育関連のサイトや書籍に記されている、難関校に受かったという子供の多くに共通していることがあります。
それは、
親から勉強しろと言われたことがないな〜。
です。
子供たちの多くは決して天才だったわけではありません。それでは、なぜ子供たちは難関校に合格するような学習習慣が身に付いていたのでしょうか。
それは、他ならぬ親の家庭学習への取り組みがあったからです。
今回は、どうしたら「勉強しなさい!」と言わずに学習習慣を身に付けるようサポートできるのかをまとめてみました。
家庭学習に適した親の姿勢
家庭学習における親の姿勢は、少なからず子供の学校での学習や成績に影響します。それでは、どのような姿勢が望ましいのでしょうか。
見守る姿勢
子供がなかなか答えを出せずにいると、ついつい答えややり方を教えてしまいそうになりますよね。夕食を作りながら宿題を見ている、就寝時間が近づいているなんて時は、私は我慢できずに教えてしまっています(笑)。
それで宿題や課題を終わらせることはできますが、子供が学習したとは限りません。言われるままにやってしまったばかりに、自分ではあまり考えていないことも多いのです。
なので、答えややり方を直接教える代わりに、
答えを導くヒントを与えるだけに留めてみましょう。
子供が自分で考えるようになるだけでなく、自分で解いた達成感から自信がつき、勉強に興味を持ちやすいそうです。
考えに考え抜いた先の「あ、そうか!」という発見は、学習の醍醐味の一つではないでしょうか。どんどん発見の機会を与え続けることで勉強が楽しいものになるので、自ら進んで勉強するようになります。
やる気にさせる言葉がけ
子供がつまづいているところをサポートする親は多いと思います。
それも大事なことですが、「頑張れ!」と下から押し上げてあげるだけでなく、「君ならできるよ!」と上に登っていけるよう応援することで、子供が自ら問題を解こうとする力を身に付けるようになります。
子供が自分でやろうと思う時は、自分ができると思えた時です
普段から、
これができたんだから、この問題もできるね!
とか、
ここまで頑張れた〇〇ちゃん、ママ尊敬しちゃう♪
と、普段から子供が自信を持って取り組めるような言葉がけをすると、子供の自己肯定感が高まり、進んで勉強するようになります。
言葉がけでなく、カレンダーに宿題をやり終えた後にシールを貼るようにして、達成した事を見える化するのも自信を付けるのに有効です。
学習に対してのポジティブなイメージ
「自分にはできる!」という自信のほかに、勉強自体への興味を持たせることも、子供が進んで勉強するようになるポイントです。
勉強はしなければならないものというより、勉強すれば良いことがある、知識を身に付けることは楽しいというイメージを子供が持つようになることで、勉強好きになる可能性が大きくなります。
それには、どうしたら良いでしょうか?
私は、主にこの3つの事を心がけています。
- 子供に身近なことと勉強の内容をつなげる。
- 子供が好きなことと結びつける。
- 自分が楽しく学んでいる様子を見せる。
⒈子供の身近なことに結びつける
買い物中にできる簡単なお金の計算や、運転中に見える看板や広告の文字をクイズにしたりと、生活の中に学校で習ったことを散りばめていきます。結構これが侮れません!
我が家の3番目長男は頼られると張り切るタイプ。買い物の際、分からないふりをして計算のお願いをすると喜んでやってくれます。
そこで、
こざる頼りになる〜!。ママ、助かっちゃった、ありがとう♪
なんて言えば、
僕に任せて〜♪
と、頼もしい答えが返ってきます。
そのせいもあるのか、彼は計算が得意です。
⒉子供の好きなことに結びつける
子供の趣味やハマっているものに勉強の内容を結びつけるのも、学習への興味を引き出すのに効果があります。
ある日、3番目長男が好きなポケモンを観ていると、パパが一言。
ねぇ、「ピカチュー! 10万ボルトだ!」って言ってるけど、10万ボルトってどれくらいなんだろうね?
この質問は、大きな数と電気について学んだことのある1番目長女に向いていたのですが、ノッてきたのはもちろん長男。パパと長男と男衆2人で、10万ボルトの威力について調べておりました。
ちなみに、冬場の静電気で3〜5万ボルトあるそうです。威力は電圧だけでなく電流の量も関係するので、静電気は高電圧でも死なないそうです。・・・参考まで。
⒊親が楽しんで学ぶ姿を見せる
簡単に言ってしまえば、子供に「本を読みなさい。」という前に、親が読んでいるところを見せた方がいいということです。
私は、子供たちに時々仕事をしているところを見せたり、話したりしています。
子供の時は勉強が好きではなかったのですが、こうして興味のある記事を書くことと、情報を集めることはとても楽しいです。もちろん、毎日仕事から学んでいます。
その姿を見て、子供たちにも学ぶことの楽しさを感じ取ってもらえたらなぁと思っています。
積極的に学ぶ姿勢を促す
お子さんが3歳くらいの時に、「どうして?」「なんで?」という質問責めに遭った方も多いと思います。
小学生になると、なんでもかんでも「なんで?」ということは少なくなっているとは思いますが、この「なんで?」の答えを見つけるべく調べるか、知らないから放っておくかでは、その後の学習の意欲や成果に大きな差が出ます。
友人から聞いた話ですが、彼女の中学校時代に同じ時期に転校してきた中国人の生徒2人が、まさにこの「調べる」か「放っておく」かのタイプだったそうです。日本に来たばかりの頃は、2人とも日本語があまり得意ではありませんでした。
ただ、その後の勉強への取り組み方が全く違っていました。1人はわからないことは理解できるまでしつこく聞いてくるタイプ、もう1人はわからないことに対して自分で何とかしようというタイプではなかったそうです。
理解できるまで取り組んだ中国人の生徒は、その後、日本人でも入るのが難しい大学に入ることができたそうです。
わからないことをわかるようにするのが、勉強です。
学校の勉強に限らず、お子さんの「なんで?」に対して親が一緒に調べる姿勢を持つと、お子さんにも、わからないことは調べるという考えが身につくと思いませんか?
先生との連携
子供が学校に通っている場合、学習の中心は学校になります。受験を控えているお子さんには、学習塾も大事になってきます。
いずれの場合も先生がいます。学校や学習塾の先生とのコミュニケーションをしっかり取り、学校での勉強と一貫性を持たせた方が、自宅での学習がスムーズにいきます。
コミュニケーションの手段は、自分と先生に合ったもので良いと思います。私はほとんどの場合、連絡帳で済んでしまうので、何かあれば連絡帳に書き込みます。どうしても必要な時だけ、お電話で確認するようにしています。
あくまでも、教えるのは先生、親は一緒に頑張るコーチもしくは仲間だとイメージしてもらえばわかりやすいと思います。
家庭学習の効果的な取り組み方
予習より復習
ある個別指導塾のサイトによると、学校や塾の授業に備える予習ではなく、すでに習った内容への理解を深めるための復習に重点を置いている方が、効率的でかつ成果も出やすいそうです。
私もずっと、子供達が、復習にあたる宿題をしっかり理解できているかに重点を置いています。
どうして勉強するのかという原点に立ち返った時に、思い浮かぶのは学期末の成績表ではなく、10年後の子供達。
遊ぶ時間も確保しつつ勉強も楽しんでもらえるようにしようと考えると、あえて時間をとって先取り学習に取り組むより、今学校で習っていることをきちんと理解して次に繋げる学習の方が、我が家には合っているようです。
短期集中でメリハリをつける
小学生のうちはなんとかなっても、中学生になると部活などで勉強量は上がるのに、勉強をする時間は短くなります。なので、今のうちから短時間で集中してやる習慣をつけてしまいましょう。
勉強でも練習でも長くやれば成績が上がるわけではありません。どれくらい勉強するかではなく、どのように勉強するかが大事だそうです。
世界的に活躍しているバイオリニストの五嶋龍さんは、演奏家であると同時にハーバード大学の学生でした。そうなると、学業にも時間を費やさなければならないので、1日のバイオリンの練習時間は平均3~4時間、時間が取れない時は2時間くらいだったそうです。1日5~8時間の練習するプロの演奏家が多いことを考えると、3~4時間は非常に短い時間であることがわかります。
もちろん、環境や本人のやる気も影響したと思いますが、どうやら無駄なことを無くして、効率的に練習したことが成果につながっているようです。
それでは、どのようにして短期集中学習を身につけられるのでしょうか。
「百マス計算」の著者などで知られる陰山英男氏によると、日頃から勉強以外でも1日5分、親子で集中する時間を作って集中する訓練をすると良いそうです。
1日5分以内の読書や音読で文字を追いながら話の内容に没頭したり、外で夢中になって遊ぶというのも集中力を鍛えます。その中で興味を持ったことや疑問に思ったことが出てくれば、もっと知ろうという知的好奇心を生み、次の学習に繋がるとのことです。
夢中になるということは、子供でも大人でも知的だけでなく精神的にも良い影響を与えます。大人のストレス解消にも「何か夢中になれることを見つける」というアドバイスがよく見られます。
お子さんの学力向上の為だけでなくご自分の為にも、お子さんと一緒に「没頭時間」を作ってみてはいかがでしょうか。
優先順位をつける
子供のやる気や集中力は、大人よりも短くムラがあります。親がどんなに頑張ったところで、宿題中ずっと集中している状態というわけにはいきません。
ただ予定通りこなそうとせず、その時の子供の様子を見ながら、優先順位を決めてできるところをやるようにすると良いようです。
例えば、
ちょっと疲れて体調が悪い時など、やらないと困るもの、提出期限が近いものだけをこなして、早めに休むようにする。
やる気のない時には、すぐに宿題に取り組まず、机の整理整頓から始めたり、取り組みやすい簡単な問題から解いていき、徐々に本題に入っていくようにすると、無理やりやらせるより効率的だし、スムーズに進むでしょう。
計画力を鍛える
優先順位を作るには、その日だけでなく、少なくとも週単位で予定を見ていく必要があります。
学校でもらう月間の計画表を見えるところに貼ったり、カレンダーに書き込んだりして、全体を把握できるようにします。その後、宿題の提出期限と量に合わせて優先順位をつけます。
すぐに終わりそうもない大きな宿題の場合は、子供が後で慌てないように、宿題の内容を数日に振り分けて計画するように教えていくと良いようです。
宿題のスケジュール以外にも、机の周りを整理整頓するなど、自己管理のスキルをを教えると、将来忙しくなっても部活や仕事との両立が楽になります。
家庭学習に適した環境作り
学習をする机の周りは物も音もシンプルに
さて宿題をしようか…と思った時に、机やテーブルが散らかっていたらどうでしょう?宿題に入るまでのステップに掃除が加わってしまい、なんだか面倒になってきませんか?
勉強に集中できる環境を整えることは、今まで紹介した学習に対する姿勢や取り組み方と同じくらい大事なことです。
できるだけ気が散らないよう、テレビは消し、目に優しいライトを点け、必要な道具だけを置いた机で勉強するように習慣づけましょう。
身体の環境づくりも大事
それから、周りの環境と並行して、身体の環境づくりも学校での学習に効果を上げるために大事になってきます。
身体の良い環境、それはつまり健康であること。その健康な身体を作る基本は食事と睡眠です。
特に、朝食はできるだけ栄養のバランスの整ったものを食べさせるようにしましょう。もし寝坊した時は、バナナ一本でも食べさせた方が絶対に良いそうです。
小学生の理想の睡眠時間は、9~11時間と言われています。日本の子供は、他の国と比べても睡眠時間が短いと言われています。
昼間に得た知識を脳に定着させるのが睡眠中で、この時間が十分でないと知識が頭に残らないということになります。おまけに寝不足だと、頭がボ〜ッとして情報も入ってきにくくなります。
「寝る子は育つ」と言われていますが、これは身体だけではなく、知識の吸収にも言えることのようです。
学校での勉強がはかどれば、当然家庭での勉強もグッと楽になります。まずは、親も少し早起きして栄養満点の朝ごはんを作った方が、夕方のお勉強のお付き合いもラクになるかも⁉︎
まとめ
- 親の学習に対する積極的な姿勢やポジティブなイメージが、子供の勉強に対する態度やイメージに良い影響を与える
- 宿題の優先順位や子供の体調も考慮し、無理のない効率的な計画を立てられるようにした方が、学習効果も高い
- シンプルな学習環境、バランスのいい食事や十分な睡眠はは、子供が勉強に積極的に取り組むのに大事な要素である
子供の勉強に親としてできることも多いと思いましたが、いかがでしょうか?
良いと言われている内容を紹介してはいますが、頑張って全てを実践すれば、子供が自ら勉強し成績を上げることができるということではありません。
やはり、
各家庭に合っているかどうかが大事だと私は思います。
几帳面でない親子がきっちり計画を立てても、長続きさせるのは難しいでしょう。時間が無いのに、子供がわかるようになるまで考えさせるというやり方が、いつもできるわけでないと思います。
学習に良いと言われている情報は溢れています。どれもそれぞれ効果的ではあると思いますが、自分のスタイルに合っていなければ、効果は半減してしまいます。
良い情報を聞いたら、今までやってきたことにちょっと取り入れていくだけでも変化は起こります。まずは、できることから始めてみてください。
お子さんにお勉強を楽しんでもらう前に、親が楽しんで取り組んでしまいましょう!
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