適応指導教室ってどんなところなのでしょう?
学校に行けない子どもを支える保護者であれば、1度はこの名前を目にしたことがあるのではないでしょうか。
私の長女も、約1年半不登校です。
長女と一緒に、適応指導教室のある教育センターに約1年間相談で通っていました。
適応指導教室に通うまでには至っていませんが
- 適応指導教室ってどんなところ?
- 適応指導教室でどんなことをするの?
- 適応指導教室の雰囲気はどんな感じ?
- 適応指導教室は、うちの子に合うかな?
- 適応指導教室に行くとどんな効果が期待できる?
と疑問を持っている人に向けて
私が見聞きしたことや、調べたことをもとに記事を書いてみました。
よかったらこちらも合わせて読んでみてくださいね。
適応指導教室ってどんなところ?
適応指導教室とは
学校に行けない小中学生を支援するための、自治体が運営する教室です。教育支援センターと呼ばれている場所もあります。
(高校生が通える適応指導教室は、私がネットで調べた限り石川県と沖縄県のみあります)
どんなことをするの?
勉強はもちろん、スポーツや制作活動、料理などの課外活動を行ったり、子どもや保護者の相談を受けたりします。
(教室によって少しずつ異なります)
どこにあるの?
自治体が運営する場所なので、教育委員会の近くや学校の跡地、関係公共機関の側に置かれている場合が多いです。
(すべての自治体に設置されているわけではありません。令和元年時点で約63%の設置率です。)
参考:
「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果/文部科学省
適応指導教室のスケジュール
例として、私が住んでいる自治体の適応指導教室のスケジュールをあげてみます。
週3回(月・水・金)
8:30登校
↓
勉強時間1時間×3コマ
休憩時間 10分×2回
料理・レクレーション・クリスマス会など
月に1、2回ほどイベントあり。
私がもらった案内は12月のスケジュールで、お好み焼き作りやクリスマス会が予定されてました!
小学生・中学生合わせて5名ほど。
それぞれ自分に合った教科書や問題集などを用意して自主勉強する。それを指導員がみてくれる。
指導員は元学校の先生。
開いている時間・曜日はそれぞれの教室によって違うので、ホームページをチェックしたり問い合わせたりしてみてくださいね。
ちなみに県内で別の市の適応指導教室を見てみたら
月〜金、だいたい小学校と同じ時間帯に開いていて、昼食はお弁当持参。服装は自由です。
自分の行きやすい時間に行き、途中で帰ることも可能。遅刻を責められることはありません。
木曜日はお休みで、この日を(可能であれば学校に行ってみる)「チャレンジ日」と設定されていました。
長女が適応指導教室に行かない理由
うちは、説明だけ聞いて教室に通うことはしないと決めました。
ここは長女には向いてないな
と思ったからです。
私たちが住む自治体の適応指導教室には
こんなルールがあります。
- 送迎を頼まず、自分で通うこと
- 制服で通うこと
なぜなら「適応指導教室は、学校に行けるようになるための訓練をするところだから」だそうです。
一コマの勉強時間が長いのもそういった理由だそうで
教室に通う子から
「学校よりも勉強時間長いよね?」
と聞かれた時も
「当たり前じゃん!ここは学校に行けるようになるための場所だよ。ここに通えるようになったら学校行けるよ!」
と指導員の先生は答えたそうです。
でも、長女が自宅から通うには車で片道3〜40分かかります。公共交通機関(バス)を使うという手もありますが、最寄りのバス停は1日に数本しか便がありません。
自分で通うにはかなり無理があります。
そして、長女にとって学校の制服(セーラー服)を着ることは苦痛であり、学校に行けなくなった理由のひとつだからです。
そんな長女に制服着て適応指導教室に行きなさいとか
…言えないよね。
長女の主治医も
わかってないよね〜
それじゃ適応指導教室の意味ないのに!
もっとゆるくでいいのに!そこの先生厳しすぎ。
とバッサリ言い切っていました。
もちろん、そこが合う子もいると思います。時間通りに起きて支度ができる子、今まで通っていた学校じゃなければ無理なく通える子、その教室が心地よい居場所と感じる子もいるでしょう。
でも、うちの長女は厳しいと感じました。
ちなみに学校はジャージでも私服でもいいし、玄関まででも、保健室でも来られる時にいつでもいいので待ってます。と言ってくれています。
そんなふうに、敷居を低くしてくれる方が通いやすいと思うんですけどね〜…。
特に、うちの子のように不安が強い子にとっては。
適応指導教室に通わなくても大丈夫?
今年は、文化祭と修学旅行に行くことが出来ました。学校はそんな風に行ける時にスッと受け入れてくれます。だから学校と繋がれていると感じています。
長女も私も文化祭最後まで居た。長女は合唱の最後のリハーサルと後片付け時に自分から教室にも入っていった。
先生たちから「来てくれてありがとう」「頑張ったね」の言葉。やっぱり私も長女も涙目。でも最後まで居た。壁を越えたいという気持ちと怖いという気持ちだったと思う。本当頑張ったよ長女😭— あーさん@保育士になりたい6児シンママ (@ArigatoMama2018) October 23, 2022
長女に合う適応指導教室であれば、通うことを勧めたし、もしかしたら行けるようになったかもしれません。
でも、うちは適応指導教室を利用せずに私たちのペースで、私たちのやり方で学校と繋がり、社会生活へのリハビリを続けています。
買い物の付き添いや遊びに連れ出したり
家事をお願いしたり
児童館や地域の集まりに参加したり
まったく勉強はしていませんが、今は通信制の高校受験を視野に入れています。
小学校卒業程度の学力と、興味がある分野の知識はあるので勉強を始めたらなんとかなるだろうと思ってます。
来年度、すぐに入れなくてもいいと思っています。
発達障害と適応障害の診断を受けていて通院中です。治療入院も検討中です。
学校に通っている同年代の子たちに比べたら進むペースはとてもゆっくりです。
でも、今はこれでいいと思っています。
私が長女にできることは
学校に連れていくことじゃなくて
家を安心して過ごせる場所にすること
長女の味方であること
長女を信じること
長女の話に耳を傾けること
長女が社会生活を過ごせるようになる手助けをすること
それくらいだと思う— あーさん@保育士になりたい6児シンママ (@ArigatoMama2018) November 13, 2022
適応指導教室のメリット・効果は?
適応指導教室に通うことで期待できる効果、メリットはどんなことがあるでしょうか。
外に出るきっかけになる・家と学校以外の居場所になる・不登校の仲間ができる
不登校になると、外に出る機会が減り引きこもってしまう子も多くいます。
習い事や塾、趣味などでどんどん外に出られて社会と関わりを持てる子ならいいのですが、そうでない場合は活動範囲が狭まり、社会から切り離されたような孤独感に陥る恐れがあります。そうなると、人に会いたくなくなったり、ますます気持ちが塞ぎ込んでしまったりするのは想像できますよね。
まさに1年半前の長女がそうでした。
もしかしたら、自分自身を否定するようになってしまうかもしれません。そんなことは避けたいですよね。
引きこもってしまったら、すぐ外に連れ出そうとせず、まず家の中の居心地をよくすることや安心して過ごせる場所にするのが大前提です。
安心感の中で日々を過ごし、心のエネルギーが充電されたら、外に出るのをおすすめします。
適応指導教室に通うことにより、外に出る理由ができるし、そこは不登校の子どもたちが集まる場所です。
分かり合えることも多いし、それぞれ違う思いや境遇があることにも気づくでしょう。仲良くなれる友達ができたらめっけもんですよね。
勉強を見てもらえる
また、適応指導教室では勉強を見てもらえます。
さまざまな学年の子が集まるので、それぞれ自分に合ったテキストや問題集を用意して勉強し、分からないところは指導員が教えるというスタンスです。
指導員は元学校の先生であることがほとんどです。
カウンセリングの資格を持つ相談員も在籍している教室も多く、学校復帰や心の悩みの相談にものってもらえます。
私たちの住む自治体の適応指導教室(教育センター)には、小中学校のスクールカウンセラーが出入りしているので、普段学校で話を聞いてもらっているカウンセラーに相談することができます。学校の様子も分かっているので、話しやすくて助かります。その方とは別に、毎回面談する担当心理士も長女についていました。
通知表の出席日数にカウントされる
適応指導教室に通えば、学校の要録上出席日数にカウントされます。
フリースクールや、一部のオンライン教材でも同じことが可能ですが、まだ学校の先生でも知らない人が多く、教育委員会や学校が認めてくれるかどうかにかかっています。
適応指導教室は教育委員会が運営している施設なので、学校との連携もスムーズに行えます。
この「出席扱い」は,当該施設への通所または入所が学校への復帰を前提とし,かつ不登校児童生徒の自立を助ける上で有効・適切であると判断される場合に認められます。その際,保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていることが重要です。
引用:
不登校の対応について/文部科学省
ただし、あくまで出席日数が増えるだけで成績が伸びるわけではありません。
全日制高校進学を視野に入れるのであれば、早期の学校復帰と定期テストも受けて成績を上げることを目指さなくてはいけません。
自宅で楽しくオンライン学習ができて、成績アップだけでなく、出席扱いの手続きもできる教材も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
適応指導教室のデメリット・注意点
不登校の小中学生と親にとって、適応指導教室は学校への復帰を目指す場所であり、学校と連携が取りやすい居場所となり得ます。
デメリットはあまり思い浮かびませんが、教室によりうまく機能しているところと、そうでないところがあります。
とどのつまり、そこのスタッフによります。
また、相性にもよります。
私は、学校への復帰よりも長女の心の回復を第一に考えて適応指導教室の利用はしませんでした。
適応指導教室に通うことが心の回復に繋がるのであれば、長女に薦めましたが、そうではないと判断しました。
まずは適応指導教室を見学してみて
- スタッフがこちらの話をしっかり聞いて対話してくれるかどうか
- 子どもが通えそうかどうか
- 子どもと親の良い変化や回復に繋がりそうかどうか
を考えることをおすすめします。
まとめ
適応指導教室とは学校に行けない小中学生を支援するための、自治体が運営する教室です。
学校への復帰を目指し、登校へ向けて親子をサポートするための場所です。
もし興味があったら、通える場所にあるか・どんなことをするのか1日の活動の様子や流れなどを調べてみて、実際に出向いてみることをおすすめします。
子どもが行ってみたいと言ったら、一緒に見学するといいですね。
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