20歳のお祝いをする成人式。
その20歳のちょうど半分、10歳を節目としてお祝いする「2分の1成人式」が広まっています。
学校で行うところもあって、実際、私の長女も昨年学校で「2分の1成人式」を行いました。けれど、この学校で行われる2分の1成人式って、賛否両論あって物議を醸しているようです。
一体、なぜなんでしょうか。
その内容に触れて、私が実際に参加した2分の1成人式で感じたことをお話したいと思います。
2分の1成人式って何?
2分の1成人式の歴史は1980年頃に遡ります。
小学校の先生が、「子どもが自分の成長を実感できて、背筋をのばせるイベントを」との思いから始めたそうです。
現在は全国に普及して、20歳の半分、10歳を迎える小学校4年生の時に学校で主催されたり、写真館で記念撮影をしたりします。
うちの小5の長女も、昨年の2月の授業参観で2分の1成人式が行われました。
そして、妹弟たちの七五三も近かったので、みんないっぺんに写真館で記念撮影もしましたよ。
長女はドレスを着ました。
いやーん!可愛い!可愛い~!!
可愛い写真が残せて、私が(笑)楽しくて大満足。親バカっていうか、バカ親全開ですね。
長女は親の希望でドレス着て記念写真なんて、恥ずかしいしめんどくさいってタイプなので、多分これが最後の機会かもしれません。
出来たら卒業式とか、それから妹弟の七五三とかの節目にも、きょうだいみんなで一緒に写ってほしいなぁって思うんですけどね。
貴重な、今だけの写真を残すきっかけにもなって良かったよー。
2分の1成人式の内容
- 自分が生まれたときのことの振り返り
うちの長女は、授業で自分の名前の漢字の意味を調べたり、名前の由来を親に聞いてくるっていう宿題が出ました。
母子手帳を見せてもらうように言われるとこもあるそうですよ。
母子手帳の記録のすすめの記事も良かったら見てみてくださいね。
- 成長の振り返り
小さいときの写真を1枚選んで学校に持っていきました。
長女は、一緒にアルバムから何枚か抜き出して、どれにするー?って言って、1歳の誕生日のときの写真を選びました。ひとことコメントもつけたかな?つけたような、つけなかったような。
- 手紙
子から親へ、親から子へ。私たちも書きました。
- 合唱
- 将来の夢を語る
学校やクラスによって趣向は異なりますが、だいたいこんな感じのようです。
2分の1成人式が抱える問題
学校で行われる「2分の1成人式」がざわざわと問題になっています。
それは、なぜなのでしょうか。
式の中で、自分の生まれたときの話から、成長を振り返ってみたり、親と子がお互いに手紙を書くのがスタンダードとなっています。
けれど、色々な家庭のかたちがありますよね。
母子家庭だったり、父子家庭だったり、ステップファミリーで、自分は連れ子だよってところもあると思います。
はたまた、子どもがみんな、親に感謝してるかっていったらそうじゃありません。一般的に親が子に注いでいると考えてられている愛情を注いでない親、一般的に考えられている親としてのつとめを果たしていない親だっているんです。
複雑な事情を抱えてる子どもだっているし、
そういう子って、周りに悟られないよう頑張ってたりするんだよね。
2分の1成人の日を調べていて、こんな話を見つけました。
ある女の子が2分の1成人式で母親に向けた手紙には「…お母さん、ありがとう。…お母さん、大好きだよ。」と書かれていました。シンプルなメッセージです。
でも、この女の子は、母親に虐待を受けていました。1年後に、その虐待によって命を落とします。
この手紙は、どんな思いで書いたのでしょう。絞り出すように綴られたメッセージ。女の子の気持ちを考えるとつらいですよね。
虐待や育児放棄とまではいかなくても、親子の関係が薄い家庭だってあります。
実際、私の知り合いにもいました。
私は、母親は家族っていうか…、ただの同居人?みたいな感じだった。私にあんまり興味ないみたいだし。自分のことばっかり。
そういった親子が、「お互いに感謝の気持ちをこめて手紙を書きましょう」なんて言われたって嫌ですよね。
書けないことによってお子さんが苦痛に感じることだってあるんです。
前述した私の知り合いの話です。
家庭科の授業で解いた問題集に「家族の定義って何でしょう?」という質問が出ていました。私も覚えています。
答えは「家計や生活を共にする人たちのこと」っていう内容の文でした。
それを見た知り合いが「良かった。気持ちや絆で繋がってるとか、精神論が入ってなくて。そんなんだったら、うち家族じゃないもん。」と安心したような顔をして話していたのが印象に残っています。
私自身も、2分の1成人式で娘に手紙を書きました。
生まれたときのことを思い出したりして、私としてはいい経験だったなぁと思うけど、そういった人ばかりじゃありません。
「周りの子は親に感謝してるのに、自分はおかしいのかな?」
「親に感謝しなきゃいけないのかな。」
そんな子達に、感謝の強要をするのは耐え難いことですよね。
参考記事:朝日新聞デジタル
私と長女の2分の1成人式体験談
2月の下旬。
授業参観の一環で2分の1成人式が行われました。
前準備として親の私たちがしたことは、子どもの小さいときの写真の用意と、子どもへの手紙を書いたことくらいです。
1月の始め、3学期が始まったくらいから学級プリントでお願いが出てて、1月末が締め切りだったと記憶してます。
でも、忙しい中、手紙書くのは大変ですよね。私は育休中で余裕があったけど、締め切りから数日、遅れたご家庭もあったみたいです。
手紙書きながら…ひとりでボロボロ泣きましたねえ。(笑)
長女は第一子。だからお産の時のドキドキワクワクも下の子より特別。
ついこないだのことのように思い出します。
超マイペース娘で、手を焼いたこともありました。9歳の時はギャングエイジの呼び名通りにトゲトゲしてて、私とも喧嘩ばっかり。
でも、過ぎてしまえば10年間はあっという間でした。
あっという間に大きくなってしまった長女。
今までのことを思い返したりして、生まれてきてくれてありがとう。と改めて思えました。
そんなきっかけをもらえて、私としては良かったです。
式の流れは?
当日のプログラムはこんな感じ。
記憶が曖昧なところはお許しください。
- 開会の言葉
- 詩の朗読
- 合唱
- お祝いの電報
- 将来の夢の発表
- スライドショー
- 親からの手紙
- 花束贈呈
- 閉会の言葉
- 記念撮影
順番が違うかもですが、だいたいこんな感じ。
まるで卒業式みたいな、粛々とした雰囲気もあり、笑いもありで、いい式でした。
式場になった多目的室にも、寄せ書きや飾り付けがたくさんしてありました。色々と準備をしてくださった先生に感謝です。
お祝いの電報は、今までの担任の先生方のメッセージと、あとは先生が仕込んだアンパンマンからと、当時市場最年少のプロ棋士として話題になってた藤井棋士からの電報(笑)
内容はあんまり覚えてません。
「小さい頃よく一緒に遊んだよね。みんなの成長をとても嬉しく思っています。愛と勇気と君たちの友達、アンパンマンより」
みたいな感じだったと思います。先生の小粋なジョークにみんな笑っていました。
スライドショーは、子どもたちそれぞれの小さい時の写真と、学校に残っていた1年生の時の写真、現在の写真、そして将来なりたいものにコスプレをした写真。
これらを先生が編集して流してくださいました。
ちなみにうちの長女は漫画家で、ベレー帽みたいなやつを被って、両手にペンと筆を持っている写真でした。
コスプレっていうか…(笑)道具持ってるだけ。
他のお友達は、野球選手とか、薬剤師とか。ユニフォームを来てバットを構えてる姿や、白衣を来て、お友達に協力してもらって調剤の受付をしている写真が、楽しくて印象に残っています。
ユーチューバーになりたいって子もいたな。時代を感じるよね~。
良くできたスライドショーを、みんなで笑いながら見ていました。
そして、親からの手紙は、式まで先生が預かっていて、この日初めて子どもたちが開封。
ドキドキですね!
みんなの前で読まれるのはちょっと恥ずかしいよなー。って思ってたら、12人の児童が一斉に親の前で自分宛の手紙を音読。
こりゃ他の人のは聞こえないわ。よかったー。
先生の話だと、普段自分はよく手紙を親に書くけど、親から手紙をもらうことはめったにない!と言って、すっごく喜んでいる子もいたそうです。大事にするって言っていたって。
でもうちの長女はドライだったなー。
家に帰ったら、ハイこれ。って返された。
私、泣きながら書いたのに(笑)
それから折り紙で折った花束と、子どもからの手紙贈呈。
もうこのへんで感極まって泣いてる親子もいらっしゃいました。
でも、うちの長女は、なんか、照れ隠しなのか単にめんどくさいのか飄々としてて、それ見たらおかしくて、私は笑ってしまいました。
2分の1成人式、良かったです!
生後2ヶ月の次男を抱っこして参加したんですが、長女とそっくりの顔。
隣に座ってたお母さんも「よく似てる。なんか、将来の姿を見てるみたいやね。で、次男くんがちょうど長女ちゃんの10年前の姿。」
って言っていました。
そう。成長をひしひしと感じられて、子どもへの思いとか感謝の気持ちを改めて感じられました。私としては、2分の1成人式があって良かったなぁと思います。
来年度に4年生になる次女にも、その次の長男、三女、次男の時も、あるといいな。とも思います。
我が子たちが通う小学校は、田舎で、親がずっとこの土地に住んでるって子ばかり。
だから親同士が普通に同級生とか、先輩後輩で顔見知りとか多いです。
児童数も少なくって、当時の校長先生は、車見たら誰んちの親、祖父母ってすぐ分かる。って言っていました。
そんな感じで、先生と親とも、かなり風通しのいい関係だと思います。
父子家庭も母子家庭もけっこうな割合でありますが、2分の1成人式を快く思ってないご家庭は多分ないんじゃないかな、と思います。勝手に、絶対無いとはもちろん言い切れませんけどね。
平日でしたが、参加率は100%でした。
きっとお仕事も休みをわざわざ取ったんでしょう。
いろんな親、いろんな家庭の形があるのは事実。子どもの生まれた時の話が出来ない親だっています。
連れ子に、「私の生まれたときってどうだった?」なんて聞かれても答えられませんよね。
人って、何かしら支えあい支えられて生きてるものですから、感謝の気持ちを育むのはいいと思うけど、みんながみんな親に感謝できるかっていったら、そうじゃありません。
そういった子に強要はできませんよね。
2分の1成人式が、親を喜ばせるイベントでなく、子どもたちが自分の成長を喜べるイベントであって欲しいなと願いますし、無理に学校で行う必要はないと思います。
まとめ
2分の1成人式とは、10歳、つまり20歳の半分を迎えたことをお祝いする式です。
学校で行われるところも多いようですね。
うちの長女も4年生の時にありました。
ただ、心を痛める子がいたりと問題も抱えています。
純粋に子どもの成長を喜び、将来への希望を持てるイベントであって欲しいなと思います。
コメント