子どもは褒める方が良い、たくさん褒めた方が子どもは伸びる、とはよく聞きますが、いざ自分の子を褒めるとなると何と言ったらいいのか悩みませんか?
そうすると、いつも「すごいね!」「えらいね!」などなど…どこかで聞いたような言葉・いつも同じ言葉ばかりになってしまいますよね。実は、これではかえって逆効果なんです。
子どもの褒め方にはコツがあります。
この記事では、子どもを伸ばす褒め方と、知らずに陥ってしまう間違いについてお話します。
褒め上手な親になると、きっと今まで以上に子どもの成長を喜べるようになりますよ。
褒め上手な親になると、子どもは伸びる
今の子育てが褒めることに重きを置いていることを、育児真っ最中のママたちは感じていることでしょう。
私自身もそうです。
家庭訪問や二者面談では、学校の先生に子どもの良いところや頑張っていることを、必ずと言っていいほど聞かれます。
また、本屋や図書館で育児関連のコーナーを見ていると「褒めて伸ばす」というワードがよく目に入ってきます。
では、なぜ褒めることが子どもにとって良いのでしょうか。親が褒め上手になると、子どもの心はこのように育つことが考えられるからです。
- 自己肯定感が育まれる
- 自信を持つことができる
- やる気が上がる
- 失敗を恐れず挑戦・試行錯誤できる
- 多くの経験が積める
- だから、子どもは伸びる
しかし、褒めることが大事だと言われる一方で
×褒めてばかりでは子どもがつけ上がる
×褒めてばかりでは子どもは成長しない
という懸念もあります。
実際、うちのばぁばはこのように言い、よく私たち夫婦と考え方の違いで対立します(苦笑)。
あんたたちは褒めて育てたいって言うばってん、それじゃいかん!…ってね。
しかし、これは褒めてばかりなのが悪いのではなく、褒め方に問題があると思われます。
私も、以前は褒め方まで気を遣っていませんでした。そのため、ばぁばの反感を買っていたのでしょう。
褒め方のコツを意識して言葉にするようになってからは、子どもの行動も変わりました。小1の三女が進んでお手伝いしてくれるようになったり、自分勝手に振る舞うことが多かった1番目長女と3番目長男が、下の子たちの面倒をよく見てくれるようになったりしました。学習などに対する意欲も伸びたように思います。
ぜひ、これからお話する褒め方のコツを頭に置いてみてください。そして、実際に子どもを褒めてみましょう。きっと徐々に良い変化を見せてくれますよ。
こちらの記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
参考:自分でできる子に育つほめ方叱り方 モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽 /ディスカヴァ-・トゥエンティワン/島村華子
子どもを伸ばす褒め方3つのコツと具体例
コツ1:子どもの頑張りを引き出す
子どもが何らかの結果を出した時に、結果を褒める前に、まずは頑張りを引き出すインタビューをしてみましょう。
例えば、かけっこで1番を取った時に
やったね!1等賞じゃん!すごいね!
ではなく、
1等賞取ったね、たくさん練習したんじゃない?
とか、
嬉しいね、今どんな気持ち?
という感じで聞いてみます。
すると、
うん、〇〇くんがめちゃくちゃ足速いから、負けたくなくて頑張った!
フォームにも気をつけたよ
など、頑張ったことについて答えてくれるかもしれません。
しかし、逆に
別に大したことないよ
という反応かもしれません。
本人が努力したことについては、盛大に褒めてあげたいですよね。また、達成感を親と共有できれば喜びも2倍になるでしょう。
しかし、本人にとって大したことでなかったら、盛大に褒められると白けてしまうことも有り得ます。
そのため、結果を褒める前にまず頑張りを引き出すインタビューをしてみましょう。
褒める効果がアップしますよ。
コツ2:頑張り・姿勢・やり方を褒める
コツ1でお話したように子どもの頑張りを引き出すことができたら、褒めるのは簡単ですよね。
毎日コツコツ練習を積み重ねた結果だね
しかし、自分から頑張ったことを言葉にしない・もしくは言葉にできない子もいますよね。
性質もあるし、小さい子どもだとうまく言葉にできないこともあります。
そんな時は、親が見たことや感じたことをそのまま言葉にしてみましょう。
例えば、入賞した子どもの絵を見て「絵が上手だね」と褒めるのではなく、
この海、いくつも色を重ねているんだね。きれいな色。
波をよく観察して描いたのがよく分かるよ。
この絵にとても時間をかけていたよね。
という風に、頑張り・姿勢・やり方に着目して褒めてあげましょう。
「絵が上手」と言われるよりも、どこが良いのかよく伝わりますよね。また、頑張りを褒められると、次も頑張ろうとモチベーションも高まるでしょう。
コツ3:「何が」えらいのか「どこが」すごいのかを言葉にする
例えば、自分の使っていたおもちゃを弟が欲しがって泣いている、でも自分も譲りたくない…そんな場合を想像してみてください。
兄弟ゲンカでよくあるパターンですよね。
うちの5番目次男と6番目三男でもしょっちゅうあります。
いつもなら次男は
ダメ!!
と言って弟を突き飛ばし
わーん!!
さらに泣かせているのですが
そんな次男がある時、目をうるうるさせながら黙っておもちゃを弟に差し出したことがありました。
そんな時は、ただ「えらいね!」と言ってしまいそうですよね。しかし「何が」偉かったのか、きちんと言葉にしてあげましょう。
おもちゃ、弟に渡せたね。こいぬも使いたかったのに、よく我慢したね。
うり坊嬉しそうだね。ありがとう。
「何が」えらいのか具体的に言葉にすると、また同じような場面になった時、子どもはきっと思い出すでしょう。
そして、自分はどうすると良いのか試行錯誤を繰り返していきます。
ただ「えらいね」「さすがお兄ちゃんだね」と褒められるだけでは、何が良かったのか分からない時もありますよね。
それに、具体的に言葉にすると
ママはちゃんと見ていてくれた。
自分の頑張りを認めてくれた。
と感じるようですよ。
どこか安心したような、嬉しそうな表情になります。
大人でもそうですよね。
旦那から「いつも家事と育児ありがとう」と言われるより
毎日忙しいのに、俺が帰ってきた時すぐお風呂とご飯用意してくれてありがとう。
いつもおかえりって言ってくれるし、
家に帰ると安心する
と、具体的に言われた方が嬉しくないですか?
おまけ:本当に「すごい」と思ったら「すごい」もアリ
ただし、本当に心から「すごい」と思ったら「すごい」「えらい」だけでもアリだと思います。
…どっちやねん!と言う声が聞こえてきそうですが、本当に感動したり嬉しかったりする気持ちが伝わればいいかなと思う時があるからです。
先ほどの次男の例で言うと、普段おもちゃを弟に貸さない次男が、我慢しておもちゃを渡した。これって親からしたら、とっっても嬉しい成長ですよね。感動してしまうレベルです。
そんな時は、ただギューッとハグして「すごいねー!!」という言葉しか出てこない時もあります。
もちろん、後から何が「すごい」「えらい」のか言えればベターでしょう。
しかし「すごい」「えらい」という言葉を禁止するわけではありません。
ママが心から感動して言った「すごい!」はきっと伝わりますよね。言われた方も嬉しいでしょう。
よくない褒め方とその解決策
以上をふまえて、ついついやりがちなよくない褒め方をあげてみます。どうすれば良いのか、振り返ってみましょう。
これらはみんな、私がやっていたことです。
褒めることが大事だと考えるあまり、叱ることから遠ざかっていました。なるべく褒めるように…怒らないように…という思考になってしまったのです。
今なら当たり前だと思うのですが、褒めることが必要でも、然るべき時に叱ることも必要です。
子どもですから、間違いもたくさんするし、ルールやマナーに反することもたまにはします。そんな時は親は厳しい態度で教えなくてはいけませんね。
また、結果や成績・評価だけで褒めるのではなく「頑張り・姿勢・やり方」を見て具体的に言葉にすることもお話しました。
- 結果や成績・評価だけの褒め言葉→「頭いいね」「絵が上手だね」「足が速いね」など…
これらはよく聞かれる褒め言葉ですよね。なぜこのような褒め方はいけないのでしょうか。
褒められたら誰でも嬉しいし、やる気がでるんじゃないの?
確かにね。
でも私、子どもの頃ガリ勉ちゃんで学校の成績良かったから、やっぱり「頭いいね」ってよく言われてたけど、違和感しかなかったしそんなに嬉しくなかったな。
自分が頭いいって言われることにプレッシャー感じてたかも。
テストで順位下がると凹んじゃうし。
結果や成績・評価だけの褒め言葉は、簡単なのでみんな使いがちですよね。
しかし、これらの言葉は「○○な子」という決めつけにもなりかねません。
周りの大人が良かれと言った褒め言葉でも、本人の思いとずれていたら何も良いことはないし、「頭のいい子」「絵が上手な子」「足が速い子」でなくなったら自信を失ってしまう恐れもあります。
普段から「頑張り・姿勢・やり方」を認められ褒められている子はどうでしょう。
もしスランプに陥っても、頑張ることができるのではないでしょうか。
「頑張り」を褒める例
-
- 「テストで100点」
「頭いいね!」→「日々の勉強の積み重ねだね。感心するよ。よく頑張ってるね!」
「すごいね!」→「算数は苦手だって言っていたのに、分からないところは何度も繰り返し読んだり聞いたりして、粘り強く頑張ったもんね。100点なんて、ママも嬉しいよ」
「姿勢・やり方」を褒める例
-
- 「オシャレに気を配っている女の子」
「すてき!」→「その髪、どうやって結んだの?(頑張りを引き出す質問)カラフルなゴムのアレンジがいいね」
「可愛いね!」→「お肌つるつるだね。丁寧にケアしてるんだね。」
いかがでしょう、これまでお話した褒め方の3つのコツを実践することで、子どもの自己肯定感が育まれるのがイメージできたのではないでしょうか。
褒めるところなんて見当たらない…そんな時は
褒めることが大事だとは思うけど、悪さばっかりだし、言うことを聞いてくれないし、褒めるところなんて見当たらない…
そう思う人もいるでしょう。
私もそうでした。
でも、探してください。どんな小さなことでもいいんです。
私は、こんな言葉から始めました。
おはよう。7時までに起きられたね
机の上すっきりしているね。鉛筆をちゃんと鉛筆立てに入れたんだね
ゴキブリ退治してくれてありがとう。助かったよ
褒めるというのは特別なことではありません。
何か成果を出した時ばかりではなく、
小さなことでもこちらの頼みを聞いてくれた時
小さなことでもいつもより頑張れた時
小さなことでも何か良いことをした時
…など、宝探しゲームのような気持ちで褒めるポイントを探してみてください。
「褒める」ことは「認める」ことであると言います。
このように褒めることが増えると、子どもの気持ちはもちろん、きっと親の気持ちもよい方に変わっていきますよ。
まとめ
子どもの褒め方にはコツがあります。
この3つのコツを知ると、子どもがのびのびと成長する手助けになりますよ。
- 「子どもの頑張りを引き出す」質問
- 「頑張り・やり方・姿勢」を褒める
- 「何が」えらいのか、「どこが」すごいのかを具体的に言葉にする
以上のコツをを意識することにより、知らず知らず子どもの様子によく目を配るようになります。
それに、親が褒め上手になると良いことがたくさんありますよ。子どもはもちろん、親自身も嬉しい気持ちになります。これまで以上に子どもの良いところに気付くことができるでしょう。無駄なイライラも減ります。
試してみてくださいね。
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